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さん (8z9vrvz5)2024/1/10 21:07 (No.89683)削除
〖アナタへの愛の伝え方↲〗


初恋とかあるの?

「こんだけ人をナンパしといて無いと思うのか。」

初恋の人のことどう思う?

「今は何とも…諦めはついてるしな。」

本当に?

「おいおい諦めついてなかったら他人ナンパしてねーよ!」


+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


適当に話を流して自室のベッドに倒れ込む。

全部嘘だ。
いや最初は本当なんだけれども……

諦めなんか全くついていない、諦められる訳が無い。
今の自分のように直ぐに思いを伝えられなかった、思いを募らせるばかりで、踏み込むことが出来ずに離れ離れになってしまった。
今までで一番、いやこれからも好きで好きで仕方ないのに、アナタが俺の前から消えてしまったからもう伝えられない。

今、アナタは何処にいて何をしているの?
忘れられてたら悲しいな、誰?なんて言われてしまうのが怖いな。

アナタのことを忘れられたら楽だった。

でも大好きなアナタのことを忘れたくない。

齟齬し続ける考えに感情がぐちゃぐちゃになる。
目尻が熱くなり視界が歪み始めた。
人前でこんな状態にならないだけマシかもな…
そんなことを考えながら零れそうになる涙をグッと抑える。
全てアナタのせいだと思えば楽になれるかもね。


「いつまでも心を掻き乱してくるアナタの事、俺は大嫌いだ。」


アナタのことを思い出させてきたアレは明日、足でも折って動けない体にしてやろう。
寝てしまえば、今日のことを忘れた気分になって楽になる、早く寝てしまおう。


「…………さっきのことも嘘…嫌いじゃない、今でも好き…」


そう言って目を瞑る。

また明日、おやすみ。
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柚子カレーさん (8zml5wu2)2024/1/8 21:41 (No.89381)削除
「さぁ!歌いながら行こう!あなたの笑顔が誰かをきっと幸せにするよ♡」

月影に照らされるステージ。観客のいない、小さな公演。

「世界は変えられるよ、小さく、些細な愛の魔法で♡」

誰のためでもなく、自分のためのステージ。精一杯だ。目一杯だ。

誰に聞かせるためでもない。私はいつだって、私のためにアイドルをしている。誰になんと言われようとも、私はここに立っている。

「あぁ、今日も繰り返す退屈な毎日。ため息をついて今日も過ごすつもり?」

もっとも成功するのは、才能のある人間ではない。努力した人間でもない。然るべき時に、然るべきチャンスが訪れる、そういう、幸運を持ち合わせた人間だ。確かな時代に生まれ、チャンスに恵まれたもの。努力も才能も、訪れたチャンスを逃がさないために使うものであって、そもそもそれを活かす機会が訪れないなら意味が無いもの。

「んー、天気もいいし、いい事あるかもよ♡さあ、元気を出して行こう!」

いま、こんな時代では、多分。アイドルという進路は、愚かしい選択かもしれない。意味の無いことかもしれない。何もなせないことかもしれない。全てのチャンスを、棒に振る選択かもしれない。
それでも、私は。

「しょぼくれてても変わらないよ、取っておきのパワーをあげる♡」

なりたい私になりたい。訪れたチャンスに妥協するんじゃなくて、なりたい私になるチャンスをまちたい。それを掴む努力をして待ちたい。あとから、もしかしたらなれたかも、とか。後悔を飲み込んで、なれないものを目指さなくて正解だったな、とか。そんな言い訳をしたくない。
成功なんか、二の次でいい。

「さぁ!歌いながら行こう!あなたの笑顔が、誰かをきっとを幸せにするよ♡」

全部終わった時に、無意味だったとしても、楽しかった。成功できなかったとしても、満足出来たって。私を笑って、好きでいられる選択をしたい。だから私は、今日もこうやって。

「世界は変えられるよ♡小さく些細な愛の魔法で☆」

私のための、努力を重ねる。
柚子カレーさん (8zml5wu2)2024/1/8 21:43削除
歌詞をお借りしたもの。
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柚子カレーさん (8zml5wu2)2024/1/9 16:04削除
柚月果ifルート

目一杯だった。精一杯だった。それは嘘じゃない。でも、私は少し、世間知らずすぎた。

「親にはバレないから大丈夫」
「みんながあなたを求めていますよ」
「芸能界の入口さ」
「さあおいで、大人の世界」

そんなわけないのにね

──戻れぬ世界は泥沼さ!

最初は、露出の多い衣装を着ている、それだけの話だった。けれど、観客に、違和感があったのは確か。それでも、せっかく手に入れた立場を。掴んだきっかけを、手放すのが怖くて。

けれど当然、そんなもの長く続くわけが無い。少しずつ減っていく観客と比例して、肌を隠すものが減っていく。ここまで来れば、馬鹿な私でも分かった。ここがどんな所か。最終的にたどり着くものが、なんなのか。

それでも家には帰れなかった。知ってしまった。歪とはいえ、誰かに求められること。人気になること。視線を奪うこと。一度知ってしまった承認欲求は、私の理性に反して、本能を蝕んだ。
家には帰れなかった。家を飛び出して、たどり着いた先がこんな場所なんて、知られたくなかった。反対を押し切った末路がこれだなんて、聞かれたくなかった。

やがて、私は男に連れられて、カメラの前に立たされる。

「最初はソフトに行っとこうか」

カメラの前で、着替える。着てないのとろくに変わらない、薄っぺらな布を、紐でつなげただけのようなそれに着替えて。口に出すのも嫌なものを、手で包み込む。

「表情硬いよ。それじゃダメ」

ぽたぽたと、涙が零れた。あんまりにも惨めだった。お嬢様は何も出来ないんですから。もう、声も思い出せない誰かの言葉が、頭をよぎって。泣いているのに、なぜだか私は、笑っていた。助けて。来ないで。抱きしめて。みないで。何も言わないで。いっそ嗤って。
誰にも話せない、心の傷と、汚れたお金。満たせない承認欲求と、何もかもを吐き出してしまう胃袋。気がつけば、私には。それしか残っていなかった。

事件が起きた日も。その後も。私は、もう「真っ当」ではなかったから。誰かのため、とか。自分のしたいこと、とか。もうとっくにすり減っていたから。

私は、抵抗する気もなくて。

「あーあ……ごめんね。くらてる」

それが、わたしの。さいごのことば。
柚子カレーさん (8zml5wu2)2024/1/9 17:14削除
ifルート
モチーフ曲
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レイさん (8zrvckba)2024/1/9 16:38 (No.89504)削除
[私の人生が変わった日]


名前が書かれていない、そんな題名が書かれた日記1ページの紙を見つけた。
持ち主に返そうかと思ったが好奇心には負けてしまいその紙の文を読んだ。


内容はこうだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[私の人生が変わった日]

 私の人生が変わったのは、ある冬にあのお方と出会ってからでした。
 私はそれまで虐待児と呼ばれる子供で、お父様やお母様から目の色が違うだけで忌み子だと言われ叩かれたり、切られたりしました。部屋からは一度も出してくれませんでした。
 後で調べると私の両親にとって赤色は血を表していて不吉な色だったらしいです。
 私が8歳くらいの時にある日、両親が出かける前に私の首輪と鎖を繋ぎませんでした。私は両親が帰ってくる前にに逃げ出しました。結局あそこにいれば死んでしまうのは目に見えていたから、逃げ出した。
 家から出ると外は綺麗だった。小さな窓から見るものより大きく自由で白い雪が舞っていて早く遠くに行かなくてはいけないのも忘れて、ただ見惚れていた。
 けど、お父様の怒声が聞こえて、逃げないといけないのを思い出した。正直ずっとこの景色を見たかったけど、背に腹はかえられず走った。 

走って走って走って走って走って、息が切れても走って逃げて逃げて、あそこに着いた。
人気のない場所。あのお方にあった場所

 そこで私は倒れた。強烈な眠気が襲ってきて、眠ってしまおうかと思った。けど両親が追ってきたらどうしようって、必死に起きてた。
 でもお腹空いてるし、体は痛いしで限界はあって、もう寝てしまおうって瞼が閉じかけた時に目の中に金色が飛び込んできた。その人は

「我は貴様を生かしてやれる、どうだ生涯を我に尽くす気はあるか」

って言ってきた。その時の私は言葉の意味が分かってなくて、生かしてくれるならと私はその言葉に残りの力を振り絞って頷いた。そして私は、瞼を閉じた。


 私が目が覚めた時に見たのは黒い空間。不思議と灯りがないのに周りが見えた。地面は水が張ってあった、私は混乱したと思う。何せ、目が覚めて初めて見たのがさっき書いたものだったから。

そのままその場所でしばらく過ごしていると気付いたことがあって、意外と快適なことだった欲しいものを考えたら出て来るし、最後に聞いた声の人、基狐白さんがたまにきて話を聞いてくれたから。

それから時間が経って私の背丈が十分高くなった頃、元の世界に戻った。

混乱した。なんでここにいるかより、両親に見つからないかが1番の不安だった。
けどそんな不安も、狐白さんの声が聞こえて無くなった。そして狐白さんは全て教えてくれた、能力を使って死体の私を器と認識し、精神を自分に宿し人格としてあの場所にいたことなどを知った。

 それからしばらく経った、私はアウトサイダーの構成員として、アウトサイダー内は私が、それ以外は狐白様の姿で動くことになった。
 今でもあの日のことは忘れないだろうその日は...


私の人生が変わった日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

...マズイものを見てしまった。
「逃げないと」そう思って背後を向いた時にはもう遅く、目に映ったのは俺に刀が振り下ろされる瞬間だった。

俺の人生はそこで終わった


「見られましたか…はぁ、早くこの者を捨てないと…」

好奇心に負けた愚か者だったものを運びながらぽつりと呟く、先程の男がよんでいた紙は彼女の物のようだ。


彼女は今日もあのお方のために動く
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グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/8 22:49 (No.89402)削除
私達一族は代々遊城家に仕えていた。
例に漏れず私にも幼い頃からお嬢様が居た。
だが私の仕えるお嬢様は大変困った方である。

遊城家のお嬢様にも関わらずアイドルを夢に見ていたのだ。このお子様は。
何を世迷言を言っているのだと頭を抱えてしまった。
アイドルなんて不安定で不確かな仕事を旦那様が認めてくださるはずないのに…と何度ため息をついたことか分からない。

そんなお嬢様に付き合わされてアイドルの真似事をするのも大変面倒くさく無駄な仕事が増えて早く目を覚まして欲しいと思ったものだ。

お嬢様が80歳を超える頃、急に荷物をまとめ始めた。何をしているのかと聞けばアイドルをするために家を出ていくという。
馬鹿なのか?アホなのか?…そうとう頭の中がお花畑らしい。
旦那様や他の給仕達の制止も意味なさずお嬢様は家を出ていってしまった。
あんな世間知らずのお嬢様が一人で生きていけるわけないだろう…仕方ない私はお嬢様専属のメイドである。
飛び出していくお嬢様を追いかけて私も荷物をまとめついて行った。

アイドルを目指し飛び出したお嬢様について行くと何故かいつの間にかマネージャーになっていた。
何故だ?いや違う、私はメイドだ。無駄な仕事を増やさないでくれ。
ほとほと呆れてしまったが…他の者がお嬢様のスケジュールを管理する?バカを言うな出来るものか。私以上にお嬢様を知るものがいるだろうか。栄養管理など出来るわけないだろう…これはメイドの仕事がマネージャーでは無い決して。
その日から私はお嬢様のスケジュールを一切合切組み直し徹底的に教育することにした。

お嬢様は諦めが悪いらしい、家を飛び出して何十年経つだろう…まだアイドルを諦め無い。馬鹿だろう…そんなに需要があるか??いやないだろう馬鹿だ大馬鹿だ。
そんな時に1本の電話が入ってきた「はぁ?受けるわけないでしょう、そんな仕事。お嬢様を馬鹿にしないで貰えません?何も知らない豚野郎が。生まれ直してこい。」ただの馬鹿からの電話だった。さっさと忘れて次の仕事の準備をしなければ。

家を飛び出して100年くらいか…もう覚えていない。未だにお嬢様はアイドルを志している。そろそろ諦めて家に戻ればいいものを……そんな時だった。世界が変わった。異変が起こったのだ。世界は荒廃した。

そんな世界になってもお嬢様はアイドルを諦めていないらしい…本当に馬鹿らしい旦那様も心配をしていらっしゃるのに。
ノアの方舟に入ってもお嬢様は変わらない、変わらなくていい。
貴方を守るのは私のメイドの役目だから馬鹿なお嬢様は大人しく家に入ればいいのに…ノアの方舟に入るなんて本当に馬鹿だ。

また一日が始まる。きっと私のお嬢様は一生アイドルを目指すのだろう、本当に馬鹿だ。
けど関係は無い、私はお嬢様のメイド。お嬢様のお世話をしスケジュールを管理するそれが勤めなのだから。

「ほらお嬢様!起きてください。朝ですよ。ご飯はいらないのですか?起きるくらい幼稚園児でも出来るのだからさっさとしてくれませんか?」
グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/9 15:36削除
ついて行かなったif

お嬢様が出ていった。
アイドルになるために、私を置いて出ていった。
有り得ない。どうしてだ?馬鹿だ本当に馬鹿だ…どうするつもりなんだお嬢様は。
1人で暮らせるわけが無いだろう。誰がお嬢様のお世話をするのだ?
本当に嫌になる…早く戻ってくればいいものを…今日のおやつはお嬢様の好物の予定だったのに。

お嬢様が出ていって何年か経った。未だに帰ってこない。
つまらない。早く帰ってきたらいいのに、あの馬鹿お嬢様が。
今日もお嬢様の好物のオヤツを作った。ほら帰ってきたら食べれるのに。

お嬢様が出ていって数十年。
暇だったからネットサーフィンをすることにした。
別にお嬢様を探すためじゃない、暇つぶしだ暇つぶし。
そろそろおやつの時間だ。作らなければ。

お嬢様が出ていって120年ほど。
世界で異変がおこり荒廃した。
どうでもいい、それよりお嬢様の方が心配だ。早く早く…帰ってきてくださいよ。オヤツが冷めてしまうでしょう。

風の噂でお嬢様がノアの方舟に入ったと聞いた。
アイドルはどうしたアイドルは!!

まぁいい…そこにいるんですね。分かりました分かりました。ならば私が迎えに行きましょう。


「絶対に許しませんからね。私はお嬢様のメイド。それ以外はありえないのです。100数年間放ったらかしにしたのですから責任を取ってもらわなくてわ!」

本当に私のお嬢様は困った人である。
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グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/6 16:23 (No.88913)削除
初めて彼女見た彼女はとても小さな眼もまだ空いていない赤ん坊の頃だった。
ぷくぷくとした可愛らしいほっぺたに小さな手...そんな彼女を見て僕は彼女を守りたいお友達になりたいと思った。

だけど彼女は僕の言葉が分からないみたいでじーっと見つめてくれたけどお話はしてくれなかった。けど...良かったんだ。いつかお話できるって信じてたから。

彼女の両親は彼女の事が嫌いらしい。彼女のことを殴ったり蹴ったり時にはお湯をかけたりしていたんだ...。僕はそれを止めたかったけど無理だった。この小さな体じゃ彼女を守ることは出来なかった。守るって決めたのに...僕は無力だった。

家に帰った時、僕の友達に彼女のことを話したんだ。そしたらその子もお友達になりたいみたいで今度、一緒に会いに行くことにしたんだ。その時は彼女の両親はたまたま居なかったみたいで彼女の家に空いてる隙間から入って彼女に会うことにした。
会いに来たよと声をかけた...聞こえてないだろうけど...そう思った時だった。
「...小鳥...しゃ?...しゃべれる?」って僕に聞き返してきたんだ。とてもとても嬉しかった。僕の友達も驚いて一緒に喜んだ。
「ここいちゃ...メ...痛い痛い...されちゃうよ...」と言いながら彼女は僕と一緒に来た友達を逃がそうとしたんだ。「待って待って!僕達は君と友達になりたいの!」って焦りながら彼女に言ったよ。
「...とも...だち?」彼女はよく分からないというふうに首を傾げていた。
「そうだよ!お友達!お友達はね遊んだりお話したりするんだよ!」って説明してあげた。よく分かっていないみたいだけど「いいよ...とも...だち...なる」って言ってくれた。とてもとても嬉しかった。

彼女とお話をして分かったこと。彼女には宝石の涙を流すらしい。宝石なんてあってもお腹が満たされないのにそれを欲しがって彼女を殴るだなんて僕たちには分からなかった。
そして名前がないということ。酷い話だ!だから僕たちで名前をつけてあげることにした。彼女の白い髪と幸せに暮らして欲しいと言う願いをのせて「リリィ」と名付けたんだ。

そんなある日だった、しばらく会えない日が続いて久しぶりに会いに行こうと彼女の家に行った時…もぬけの殻だったんだ。僕は焦ってあっちこっちを飛び回って彼女を探した。そして見つけた。
彼女は慈しみの十字架という場所に保護されて暮らしているらしい。

そこにいる彼女の顔は前より幸せそうに見えた。
もう彼女は僕がいなくていいのかな…そう思って僕が離れようとした時だった「テディ…?テディなの?」彼女に声をかけられた僕を忘れていなかった。「テディあのねあのね…ここね…ご飯美味しいの…ふわふわのお布団…あるんだよ」そう笑いながら沢山お話してくれた。

リリィ…リリィ…僕の僕たちの大切なリリィ
君はきっとこれから幸せになれるよ
君を幸せにしてくれる人が沢山現れるよ
君を守ってくれる人が沢山いるよ
僕たちも君を守るよ君の幸せが崩れないように

大好きだよリリィ
僕たちの可愛い大切なお姫様
グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/9 14:40削除
ifもifな超超ifルート

セルが死んじゃった。ボクを守って死んだ。
いつもボクを守ってくれたセル。
大好きなセル。
大切な…世界で1番大切な人。

そんなセルが死んでしまった。

セルが持たせてくれたぬいぐるみが消えた。
幻影が見えなくなった。
ボクでも分かった。

どうして?どうして?どうして?どうして?
セルが死んだのはボクのせいだ…ボクが弱いせいだ…。
ボクが弱くて…守られてばかりだから…汚い大人達に狙われる。
大切を奪われる。

セルを殺したのは誰だっけ?知らない知らない人だった。
けど悪魔だっけ?人類だっけ?分からない、どうでもいいのそんな事。

許さない…どうして…ボクの大切なセルを奪ったの?セルが悪魔だから?

昔、本で読んだことがある。死んだ恋人を生き返らせるため沢山の人を生贄に捧げた話を。

そうすればセルは生き返るのかな…そうすれば…セルは戻ってくるのかな?

ふつふつと身体が熱くなる気がした…空気が自然がボクを呼んでいる。
あぁそっか…これが本当のボクの力か…もっともっと…早く覚醒すれば良かったのに…けど大丈夫。これがあれば沢山殺せるね。沢山セルのための生贄が手に入るね。
大丈夫大丈夫だよ。


「セル…ボク強くなるから大丈夫…次に会うときは褒めてくれるよね?頭を撫でて抱きしめてくれるでしょ?」

迎えに行くよ。ボクの大切な人。ボクのボクだけのセル。
誰も要らない。誰も必要じゃない。セルだけ居ればいい。
セルを殺したこの世界の住民なんてみんな死んでしまえばいい。セルのための生贄になればいい。

あっでもお姉ちゃんとおじちゃんと先生は生かしてあげてもいいかも。ボクに優しくしてくれたから。
けどボクの邪魔をするなら殺さないとなのかな…悲しいなぁ。

そんなことを考えてると下卑た笑いを浮かべた大人達がいた。

「ねぇ?おじさん達がセルを殺したの?…どうでもいいや…セルのために死んでよ」

風さん、草さん、自然さん、ボクに力を貸して

愛する人を奪われた少女は壊れてしまった。
自然に愛された少女はその力を操り殺戮を繰り返す。
もう戻ってこない愛する人が戻ってくると信じながら。

屍の上に立つ真っ白な髪に赤い血を浴びた少女は無邪気にいつものあの笑顔で笑って言った。

「セル…愛してるよ…早く会いたいなぁ…」
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さん (8zf1pchi)2024/1/7 14:22 (No.89096)削除
『ミコの実録 1.2』




かわいそうな子、誰にも愛されなくてぜんぶに絶望して、同種族を滅ぼそうとして逃げたかわいそうな子。
ミコには何もできない、止めて上げることもできない。
でもミコには『まま』がいっぱいいるから、『まま』にうそをつくのはイヤだったけど、ミコがお話したら『まま』は泣いてその子を抱きしめた。
優しく優しく抱きしめて、『もう大丈夫、私が幸せにするから』って言った。ミコはこれでもう大丈夫だと思った。

でもあの子は違った。あの子は本当に狂ってた、『まま』を殺して家を乗っ取った。『まま』は悪魔に殺された、って言ってみんなの同情を得た。あの子はそのままその家に住み続けた、『まま』のだんなさんはもういなかったから。だからあの子は1人で住んでた。あの子はおとながスキじゃなかった。だから『まま』もキライだったんだと思う。すっごく優しいのに…。でも、大丈夫、ミコが『まま』の代わりにあの子を見るから。ミコが『まま』の代わりにあの子を正しく導くから。だから『まま』は安心してミコがそっちに行くまで待っててね。


あぁ、愛情を知らないかわいそうな子。否定されるとイヤイヤって駄々を捏ねて癇癪を起こすおさない子、ミコが最後まで見守るからね。​









優しい優しいかわいい子。ただただ愛されたかった健気な子。愛されたくて足を切って、愛されたくて拾ってくれた人の手伝いをした。でもあの子は誰にも愛されなかった。すごくすごくがんばってたのに、それでもあの子を見てくれる人はいなかった。そのうちあの子はだんだんと笑わなくなった、微笑みもしなくなった。優しい優しいあの子の心は冷たい氷の中に閉じこもってしまった。おとぎばなしのお姫様に憧れてたって言ってた、今でも読んでた本と同じ本を持ってる。灰になっちゃったから新しく買った、って言ってた。それでも忘れられなくて買ったんだって。でも、おなじ物語の本は沢山あって、終わり方も違うやつがある。あの子は自分が読んでた本とは違う終わり方をする本を見て悲しそうにした。

『結局私には王子様は来てくれないの』

すごく悲しそうで、すごく泣きたそうな顔。頭をなでなでしてあげたらすごく驚いた顔をして泣いちゃった。痛くしないようにぎゅってしてあげてなでなでをしてたらずっとずっと泣いてた。あの子は泣き止むとすぐいっつもの顔に戻った。それでも、少しだけでも気が晴れるなら何回でもお話聞くよ、いっぱいなでなでしてあげるから、だからがまんしちゃダメだよ。もっともっと苦しくなっちゃうからね。​
さん (8zf1pchi)2024/1/9 14:27削除
ミコの目録 3







優しくてとってもつよいまま。
ミコも少しの間、ままのおなかの中にいた。
ふたごのお兄ちゃんと一緒にままの中で大きくなろうとしてた。
でもミコはちゃんとままの中で大きくなれなくてままと会えたのはお兄ちゃんだけだった。
でもミコはそれでもよかったの、ままがいつもニコニコしてて、お兄ちゃんも大きくなっていってたから、ミコもうれしかった。
でも、あるときお兄ちゃんは消えちゃった。死んじゃった、なんで?なんで?ってミコも思った。
だってお兄ちゃんはずっと健康で病気もなかったから、ミコはお兄ちゃんがこのままずっと生きておとなになるんだと思ってた。
ままもそうだった、でもお兄ちゃんは死んじゃった。
ままが少しだけ違うところを向いたとき、何も見えない悪魔?呪い?がお兄ちゃんをおそった。ほんとうに一瞬だった。
ミコも何があったのか分からなかった。ほんとうに、だってお兄ちゃんのこと見てたのに、ミコはちゃんと見てたのに、でもお兄ちゃんは消えてなくなっちゃった。
残ったのはままとつないでた手だけ。
でも消えたときままとお兄ちゃんは手つないでなかった、お兄ちゃんがトイレ行きたいって手をはなしたときだったから。
ままは大きな音がきになってそっちを見てた、お兄ちゃんはトイレに行きたくて手をはなした。
だからお兄ちゃんを見てたのはミコだけ。
でもミコも分からなかったから、ままはもっと分からなかったと思う。
ままはのこったお兄ちゃんの手をずっと見てた、ずっとずっと見てて、そして泣いた。
大声で泣いて、のこった手を抱きしめて赤ちゃんみたいに泣いてた。
そこで死んだのはお兄ちゃんだけじゃなかったけど、でもままの悲しい気持ちが誰よりも大きかった。
ずっとずっと泣いて、お兄ちゃんののこった手を火葬したあとも泣いて、組織?を抜ける手続きをしたあとも、せき?を抜いた?あとも。
ままはいっぱいいっぱい泣いて、そして泣かなくなった。
急に泣かなくなった。そのかわり?にいっぱい笑うようになった。


孤児院の子供たちと一緒にいっぱい笑って、いっぱい楽しそうにする。
でもままの目は少しさびしそうで、笑ってるのに泣いてるみたいだった。
ミコがままに初めて話した時ままはすっごくおどろいて、すっごく泣きそうな顔をした。
すっごく泣きそうな顔をしてそのまま笑った。いつもの泣いてるのに笑ってる顔じゃない。本当にうれしいのにでも泣きそうな顔。
ミコ、いっぱい同じ顔見てきたからわかった。
ままはさびしかったんだ。
お兄ちゃんが居なくなってままはずっとさびしかったんだ。だからママがいない子供たちと遊んでさびしさを埋めてた。
でもままの子供はミコとお兄ちゃんだけだったから、だからままのさびしさは埋められなかったんだ。
ままはミコを見るとうれしそうにわらうの。
ミコを見てニコニコする。お兄ちゃんに見せてたままのうれしそうなたのしそうな笑顔。
ミコもそれを見るのがすごくうれしい。

ねぇねぇまま、ミコ、少しだけでもままの子供でいれたのすっごくうれしかったの。
ままはミコのことどう思ってくれてるかな?
ミコと同じで、すっごくうれしいんだったらミコもうれしいな。
お兄ちゃんの気持ちは分からないけど、でもきっとお兄ちゃんもおんなじ気持ちだから。
だからまま、泣かないでね、ミコもお兄ちゃんもままのことが大好きだから。
自分のことせめないでね、ミコもお兄ちゃんもままが笑ってくれてたらそれだけでうれしいんだよ
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グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/9 13:51 (No.89463)削除
それは入学式の日だった。
新品の制服に身を包んでワクワクしながら校舎に足を踏み入れた。そして貴方に出会った。

一目惚れだった、高等部にいる先輩だった。
貴方の笑顔が声が全てが愛おしくてキラキラして見えた。
先輩に少しでも近づきたくて同じ部活に入った。

友達は出来なかった。当然だ、私の能力を知れば誰もが離れるんだから。
けど先輩は違った。私がこんな能力を持っていてもそばにいてくれた。だから益々、惹かれていった。

中学2年の春、勇気を振り絞って先輩に告白をした。
先輩は笑って受け入れてくれたとてもとても嬉しくてまるで夢を見ているようだった。

そこから壊れていった。破滅への始まりだった。

先輩のことがどんどん好きになった。
デートをする度に、キスをする度、会う度に、名前を呼ぶ度に、
好きに好きに好きになって愛して愛して愛して

お腹が空いていった、先輩といるととてもお腹が空くようになった。

食べたくなった、その腕がその瞳がそのその足を心臓を食べて愛してずっとしまい込んでしまいたいと。

可笑しい可笑しいなんで?私は先輩が好きなのに。
なんで?なんで?こんなにも食べたくなるの。

自分が嫌いになりそうだった。だから私は先輩から離れようとしたなのに先輩は私を離さなかった、受け入れようとしてくれた。


中学2年の冬、久しぶりにデートをした。
この日はいつもみたいに先輩を食べたいと思わなかった。
きっと今までのは思い過ごしだったんだと思った。







……イタダキマス






気がつけば私は誰もいない雪の降る路地裏にいた。
先輩はいなかった。 いや居た目の前に。赤い血が真っ赤に流れて原型が無くてまるで食い散らかされたみたい。
私の口からは赤い血が垂れていた。

「あ…ヤダ…嘘…あぁ…あ…あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ”」

全て全て吐き出したかった。苦しかった。涙が出て溢れた。声にならない声が嗚咽が私を苦しめた。
私は私は私は私は…先輩を…殺してしまった自分の欲のせいで。


ある日、叔母が言った。私は化け物だと。人の皮を被った怪物だと。悪魔だと。

その通りだ…私はただの


「ただの化け物だ…」
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緑茶さん (8z88g5i0)2024/1/7 13:34 (No.89088)削除
未来視なんて欲しくなかった。

儂が欲しいのは、普通じゃった。

もうそんな欲も捨ててしもうたがの。

そんなものは所詮、易々と手に入るものではなかったんじゃ。


𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄



とある村にその娘は産まれました。

その娘は産まれた時から未来がその目に見えていました。

ですが、彼女はこれは皆が持っている力であると思っていました。

だから彼女はいつも見えた未来を言っていました。

初め、周りの大人たちは嘘だと思っていました。

しかし、彼女と言ったことは全て当たるのです。

怖いほどまでに。

それに気付けば村の者は皆彼女を忌み子と呼び、差別をするようになりました。

それまでに仲の良かった子も、彼女を見る目は変わりました。

子供から石を投げられる日もありました。

大人から侮蔑を受けたこともありました。

時には髪に黒色の部分があることも忌み子の象徴とまで言われました。

父親に殺されかけたこともありました。

それでも彼女は一度たりとも抵抗したことはありませんでした。

だって抵抗すると言う手段を知らなかったのですから。

ただ、唯一彼女の味方が居ました。

それは彼女を産んだ母親です。

母親はいつも彼女に言いました。


「あなたは周りの子と少し違うだけ。でも違うと言うことはなにも悪いことではないわ。あなたはなにも悪くないのよ。」


母親が居る、それだけで彼女は充分でした。

しかし…。

彼女が12歳にだった時でしょうか。

ある日、大人が複数人で彼女を取り囲み殺そうとしました。

一人は刃物を持っていました。

彼女は死ぬ、そう思いました。

ですが彼女は死にませんでした。

死んだのは彼女を庇った母親でした。

大人たちが裁かれることはありませんでした。

裁かれたのは彼女でした。

彼女は嘆きました。


「私が悪い子だからみんなと違うの?私が悪い子だからお母さんが死んだの?」


それからと言うもの、彼女は未来を見ることが嫌になりました。

ですが村の者は村長からの提案で逆に彼女を利用しようと言うことになりました。

そして彼女は村長の家で監禁されながら、暮らすことになりました。

そんな生活が何年続いていたのかも覚えていません。

村長が何回か変わっていたことは朧気ながらも覚えています。

そんな生活もとある狂気と混沌によって終わりを迎えました。

旧支配者によってその村は焼かれました。

跡形もなく、唯一残ったのは悲しいことに彼女の母親の墓のみでした。

彼女は行く宛てもなく、独りだけ何故か助かりました。

その時の旧支配者の姿は今でも忘れられないほどに覚えています。

孤独になった彼女は、ひたすら歩きました。

この村から出たことがないため、どんな場所があるのかも分からないのに。

歩きました。

必死に歩きました。

海が見る広い洋風な街に着くと、間もなくして彼女は奴隷商人に捕まりました。

またです。

また奴隷のような日々を繰り返すことになったのです。

いや、村の時の方がまだマシでした。

それからは買う人買う人からの性処理道具、ストレス発散の道具、生きたいが為の未来視のための道具。

それらとして扱われ、ご飯もろくに食べさせて貰えませんでした。

髪はボサボサ。地面を引きずり、体臭も良いとは言えませんでした。

そんな生活が続いたからでしょう、彼女の心はもう壊れていました。

生きる気力もない。いや、死んだ方がマシ…。

そう思っていました。

だから彼女は頼みました。

その街をあの村のように焼き尽くす旧支配者に。


「殺してほしいの。もうそれいがいいらない。死にたい。おかあさんとおとうさんのところにいきたいの。もうらくになりたいの。」


旧支配者が彼女を殺す。手にかける。

その時でした。



彼女の光が、希望が現れたのは。



自身と同じ白銀の髪。澄んだ空のように美しい瞳。不器用な表情。綺麗な顔立ちの男性。

知らない人です。

ですが彼は助けてくれました。

死のうと旧支配者に志願した自分を。

殺されに行った自分を。


「君が殺されるのは駄目なんだ。こいつに誰かが殺されるのは、駄目なんだ。それは君の家族が許さない。」


君の家族は…君のことを大切に想っている人は、君に生きて欲しい、そう思っているはずだから。

その言葉で彼女は思い出した。

確かに短かったけれど、確かに幸せだった思い出を。

旧支配者から逃れた彼女は、アダムと名乗る男によって王宮まで連れてこられました。

彼女は問いました。


「なんで私を拾ったの?私は悪い子だよ。悪い子だから、お母さんは殺されちゃったの。あそこで死ぬべきだったのは私だったのに。」


アダムは言いました。


「君が悪い子とは俺は思わない。だって君はなにも悪いことなんてしてないんだから。それに…。死ぬべきだった人なんて居ないんだよ。」


そう言いながら頭を撫でられてしまい、思わず泣いてしまいました。

泣いてしまったことにアダムは戸惑い、近くにいた女性が慌ててきて抱き締めてくれました。

その女性の名前はイブと言いました。

アダムから聞くには、彼の妹とのことでした。

それからは3人で幸せに暮らしました。

そう、あの日が来るまでは。

幸せでした。


𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄



な〜んての?儂は特に気にしておらんぞ。

父様のおかげで生きておるし、未来様は本当のことしか言わんしの。

それに儂は自分のことを悪い子とはもう思っておらんからな。

緑茶さん (8z88g5i0)2024/1/7 13:35削除
儂はあの時未来様を言えなかった。悪い子じゃ。父様の甘さに甘えた、悪い子じゃよ。
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グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/6 22:30 (No.89013)削除
「ねぇ君に名前ってないの?」
ある日の昼下がり突然君にそう尋ねられた。
名前…そんなもの僕にはない。必要でなかったから。そう答えたら君はとても驚いて怒ってるみたいに言ったんだ。
「そんな事ない!名前は大切だよ!名前はね…願いが込められた素敵な贈り物なんだよ?」
そう言われても…と困ったように僕は君に言った。
けど…君の名前は好きだし綺麗だと思うから少しは分かるかもねと言ったらちょっと照れていたっけ?本当に恥ずかしがり屋だ。

その数日後、君は紙にペンを走らせて何かを書いていた。なにをしているかと尋ねたら僕の名前を考えているんだと、意味がわからない。
「だって君は私の大切なお友達でしょ?ならそんな君に名前をプレゼントしたいの」と笑うから止めることなんて出来なくてぶっきらぼうに好きにしたらって言っちゃった。僕らしくもない。

僕の名前を決まったのはそれから何日もたった頃だった。突然朝早くから起こされてとても不機嫌だったのだけど…君がとてもいい笑顔をしてるから怒るに怒れなかった。
「君の名前が思いついたよ!こっちに来て!」と手を引っ張られた。そうして1輪の赤いアネモネの花を渡された。
「今日から君の名前はアネモネ。私の大好きな花なんだ。ほら君の綺麗な赤い瞳そっくりでしょ?」と素敵な笑顔で僕に言ってきた。
アネモネ…君の好きな花…僕の目に似てるかは知らないけど君から名前を貰えたことが…君の好きな花を名前にしてくれた事がこの上なく幸福だったんだ。ぶっきらぼうに照れくさくなりながらありがとうってお礼を言ったら君は自慢げに「いい名前でしょ?」って言っていたね。
あぁ本当に君には敵わない。そう思いながら顔を逸らした僕には君が愛おしそうに僕を見ていることに気づくことはなかった。







赤いアネモネの花言葉……君を愛す
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さん (8zf1pchi)2024/1/6 17:12 (No.88927)削除
昔、1度だけ買って貰えた本があった。その本に出てくる少女は足を持たず、逆に美しい尾びれがあった。それだけで満足だろうに、少女は人間の王子に恋をして自ら尾びれを捨て人間の足を得た、声を捨て結婚することを代償として。少女は大好きな王子と居られればそれでよかった。けれど王子は別の少女と結婚するという、少女は深い悲しみに溺れた。王子と結婚出来なければ少女は泡になって死んでしまう。そんな少女を哀れんだ少女の姉達は自分達の髪を代償に少女が人間から人魚に戻れるように魔女へ頼み込んだ。そして魔女から渡されたのは1本のナイフ、王子をそのナイフで刺し殺せば少女は人魚に戻れる。ナイフを受け取った少女は王子を殺すことが出来なかった。愛する人を殺して自分だけ生き残るなんて、少女は王子が生きていればそれだけでよかった。だから少女は選んだ、自分が死ぬことを王子が幸せに生きることだけを願って。少女は王子が結婚式を挙げたその日、泡となって消えた。少女の目には涙が溢れていたが、その顔は笑顔だった。




そんな絵本を読んで彼女は絵本の世界に憧れた。生まれつき奇形の足、両親からは忌み嫌われ体罰を受け続けた。けれどこの足をもし捨てられるなら、もしそれが出来るなら。


まず足を自ら焼いた。痛かった、苦しかった、でも、もし本当にこの足がなくなったらきっと自分を愛してくれる人が現れるはずだから。足を焼いて家にあった包丁で切り落とした。凄く痛かった、血も涙もいっぱい出た。けれど、これで少しは前に進めるのなら少しでも愛されるのなら、それに縋ってみたかった。テレビのドラマで見たままなんとか止血をして、針と糸で足を縫った。けれどただの針と糸ではちゃんと縫えるわけもなく、何回も何回も同じところや少しズレたところを縫ってなんとか不恰好ではあるが縫合することが出来た。切り落した足は燃やして灰にした、骨は近所の野良犬にやってしまった。尾びれを失った少女は代わりに足を得た。では彼女は何を得よう?ちゃんとそれも彼女なりに調べていた。そこら辺に捨てられた鉄製の破片や工具を使って初めて作ったにしては十分な出来の義足を作り上げていた。ちゃんと動くように何度も微調整を続けたもの。血が完全に止まって痛みがある程度引いてから義足を装着した。上手く歩くことはまだ出来なかったが、それでもちゃんと立つことは出来た。やった、これで愛される、普通になれる。彼女は喜んだ。夕方、帰ってきた母の前へ義足をつけてフラフラしながら歩いて向かう。『おかえりなさい』と笑顔で出迎えた。母はなんとも言えない顔をして彼女を見た。彼女は何かまずかっただろうか、と一から順番説明した。足を切ったこと、自分で縫ったこと、義足を作っていたそれを装着したこと。だって愛されると思ったから。けれど母の反応は真逆だった。『たださえ気持ち悪い足をしているのにッ!!!!!!!足を自分で切ったッ!?!?!?ただのバケモノじゃないッ!!!!!!!!』予想外の言葉だった。呆気にとられた彼女が呆然と立ち尽くしていると母は彼女を引っぱたいて何度も何度も殴り、蹴る暴行を加えた。泣いて『ごめんなさい、ごめんなさい』と謝っても母は止めることもなく。母は一通り暴れると彼女に暴言の雨を浴びせて部屋へと押しやった。外から鍵を閉めて部屋の前から離れる。彼女は何度も謝った、泣いて縋った。それでも母が己の傍に来てくれることはなかった。


泣き疲れて眠ってしまったのだろう彼女が起きた時は窓の外は真っ暗で。ふと耳をすませば部屋の外から男女の話し合う声が聞こえた。『気持ち悪い』『なんだあんなものを産んだんだ』『好きで産んだわけじゃない』『お前が産まなければこんなことにはならなかった』『アタシだってあんな子最初から愛してなんかないわよ』。彼女の中で何かが溢れた。溢れて止まらなくなった、涙がボロボロと溢れてくるのに水滴は地面につくことなく蒸発した。彼女の体を覆うように炎が現れ、カーペットを燃やし、壁を燃やし、カーテンを燃やして、その炎は家全体を包み込んだ。彼女はただひたすら泣いた、苦しかったわけでもない、足が痛んだわけでもない。愛されていない、という事実に直面してただひたすら悲しくなったのだ。泣いて泣いて、気付いた時には家は全て燃えていた。1人、燃え尽きたかつての家を後にして街へ出た。真夜中だったこと、このご時世のせいでまだ消防車が来ていなかったこと、そしてあまりにも燃え広がるスピードが早かったこと。その全てが起因で1人家の残骸からふらふらと出てきた彼女を見た者は誰もいなかった。


夜道を歩いている時に男に声をかけられた。『よかったらキミを救わせてもらえないか?』。縋る理由はなかったが、手を差し出されて掴んでしまった。にっこりと優しそうに笑ったその男に連れられて彼女は裏社会へと足を踏み入れた。数年後、その男に裏切られて殺されかけるとも知らずに。​
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さん (8zf1pchi)2023/12/31 22:34 (No.87988)削除
眠気と戦いながら書いたからおかしいかもしれない…起きたら消すかも…



家を家族を失ったあと、そこら辺でかき集めた物で作られた義足で街をさまよい歩いていたまだ幼く何も出来ない少女、少女を家に連れ帰った中年ぐらいの男。普通なら警戒するが、その少女には頼れる場所がなかった。だからその男に素直について行ったし、もしもの場合は何とかして逃げるつもりだった。もちろん、何かされようならば抵抗する術はある、だがその男は少女に一切手を出さなかった。少女に暖かい食事を与え、温かい風呂に入れ、新しい服を買い与え少女を迎え入れた。『自分のことは好きに呼んでくれて構わない』『嫌なことがあればすぐに教えて欲しい』そう言って男は少女に"当たり前"の生活を与えた。連れ帰られ早4年。共に過ごしていくうちに少女は男と共に裏社会に染まっていった。軽犯罪は当たり前、重犯罪は最終手段。人を殺すことに罪悪感はあるわけない。その瞳は齢12歳にしてあまりにも冷酷で恐ろしいものだった。男と共に『アウトサイダー』という組織に入り、そこで少女は殺しの術を身に付け悪魔や呪いを狩って生きていた。それ以外は普通の生活を送っていた。

だが少女は気付いてしまった、男の底なしの優しさが己に向けられたものでは無いということ。男には想い人がいた、その人は幼いまま植物状態になりその後脳死判定を受けてその一生を終えていた。だが、男は彼女の美しさを忘れられなかった。光の灯らない大きく美しい瞳を、ピクリとも動かず真一文字に結ばれた口を、植物状態になる前に見た、怯える彼女の顔を。男は待っていたのだ、少女が彼女が植物状態になった時と同じ歳になるのを、そして再び、その男が自らの手で美しい少女をまた、植物状態することを。
日記を見てしまった、男の日記には全てがありのまま、赤裸々に書かれており少女に強い吐き気を催すほどの嫌悪感を抱かせた。その時から少女は男を見ることが出来なくなった。まるで、悪魔や呪いを見ているかのようで気を抜けば今すぐにでも殺してしまいそうで。少女は吐き気に催されながら毎日日記を読み続けた。遡って読んでいくととある事に気が付いた。それは組織に関係することでもあり、少女はそれを見てからひたすら駆け回った。あちこちに足を伸ばし、証拠を集めた。そして証拠が集まりきって男を断罪しようとしたその時、男の方が早かった。少女を想い人と同じようにしようとしていたのだ。男の口から彼女へ、そして少女へと溢れる想いが次々と繰り返し呟かれており、その姿はまるで『狂っている』ようだった。だが少女もその点については負けてはいなかった。なんせ、最初から殺すつもりだったから。事実を知ったその瞬間から少女は男を殺すつもりだった。衣食住を与えてくれたことには感謝している、だがそれとこれとは別物である。隠していた折りたたみナイフを取り出すと、仕事で身につけた身体能力、殺しの術を全て使って男の胸を一突きした。男は呻いて後退りをする、それでも未だ少女を手にかけようとする男に少女も容赦はしない。持っていた毒入りの小瓶を一気に口に含み、にじり寄ってきた男の首に腕を回して口付けを交わした。押し倒すようにして男を仰向けにし、男の口に毒を流し込む。男は抵抗しているが元々胸を刺され弱っていたその体は毒を流し込まれていくたびに力が弱まっていき、ついには動かなくなってしまった。息絶えたのを確認すると少女は毒のついた唇の端を袖で拭った。マッチに火をつけて男の腹の上へ放り投げる。順番が前後してしまったが、ガソリンを周りに撒いて男の腹の上で燃えていたマッチをガソリンの上へと投げる。一気に燃え盛り、男はあっという間に炎に隠れてしまった。

少女は組織へ戻ると男が犯した罪を告発。証拠も渡した上で男の居場所は分からない、と証言した。男が生死不明のため組織も何も出来ずにその件は無かったことにされた。それから2年、告発した少女はその後も悪魔呪い狩りを続け実力、名声を上げていった。それもあってか、14歳にして幹部に抜擢された。周りの構成員達は自分達がなるものばかりと思っていたため、少女に向けられる視線も言葉もキツイものだったが少女はそんなものに動じず、幹部としての仕事だけはしっかりとこなしている。

少女はかつて2人で暮らしていた部屋でラジカセのスイッチを押す。流れたのはよく2人で聞いていた邦楽。男が好きでずっと聞いていた、どういう意味なのか、どこがいいのかは全く分からないが聞いていくうちに口ずさむほどになっていた。男の物が全てなくなってしまったその部屋で少女はかつて受けた偽りの愛を探して今夜も1人、眠りについた。​
さん (8zf1pchi)2024/1/6 15:21削除
『好きな人』





アクアside

いるわけない、出来るわけないでしょ。こんなバケモノを愛してくれる人なんているわけがないんだから。だって私は醜い醜いバケモノだから。だから、無駄な恋情なんて抱かない。だってそうでしょ?振り向いて貰えないのに期待したって意味が無いでしょ。自分が傷付くだけだもの。だったらそんな夢は見ない。…昔はそんな夢を見たこともあるけど。叶わない夢は見たくないの。御伽噺は偽りの世界だから、この世界で叶うはずがない。少し考えればすぐに分かったのにまだ幼かった私はそれに気付けなかったんだね。気付いた今だからこそ、そんな夢物語は見たくない。また、裏切られたくないから…。




ヘラside

好きな人…気にしたこともないかなぁ〜。だって約2000年引きこもってたしぃ。魔女様は特段好き、ってわけでもないしなぁ…憧れとかそっちが強いかも。好きなタイプ…?うーん…ヘラくんのこと守ってくれる人?かなぁ、ほらヘラくん弱いでしょ?能力もさぁ〜、だから誰かに守って欲しいな。その代わり、沢山癒すし沢山お話聞くしお話するし、ヘラくん捨てられないように頑張るよぉ〜!んっへへ、だからちゃんと愛してくれる人がいいなぁ。…なーんてねっ!びっくりしたぁ〜?ヘラくんがそんなこと言うわけないじゃぁ〜ん!別に好みのタイプとかないしぃ〜?ヘラくんは魔女様一筋だからねっ!




セルside

好きな人?今までいたことはないな、興味もない。なぜ?当然であろう、我は忙しいんだ色恋沙汰に現を抜かしている場合ではない。それに、そんなものを楽しんだところで何が得られると言うのだ。それで何かを得られる、経験になる、というのであれば良いがな。恋愛経験?それは本当に必要なのか?それを得て何になる。我らがその経験を得てなんの足しになると言うのだ?何にもならないだろう?ならそんなくだらないことをするつもりはない、以上だ。




ライラside

恋?ライラよくわかんなーい。…本当に分からないわよ。今までそんな人に出逢ったことないもの。あぁ、でも好きなことならあるわっ!…何よダメなの?貴方達は分からないでしょうね、この鋭く磨きあげられた剣が人の体を刺した時の感触、それと同時に上がる断末魔、悲鳴、殺さないでくれと泣くその声の心地良さ…。はぁ♡誰かを殺したくなってきちゃったわ…♡​
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グラサンさん (8zkxxs3h)2024/1/6 00:03 (No.88818)削除
両親が死んだ。不幸な事故だった。
私はお兄ちゃんと一緒にこれからの事を考えた。
親戚は誰も引き取ろうとしてくれない、それもそうだ。
私は病気持ち...こんな子を引き取ってくれるわけが無い...せめて...お兄ちゃんだけでも...そう思ったけどお兄ちゃんは私とずっと一緒にいてくれた。
色んな場所を巡って巡って巡って...たどり着いたのが慈しみの十字架という宗教団体だった。
そこのシスターに保護されて私達はそこで暮らし始めた。
温かいご飯と寝床があるだけで十分だった。それにお兄ちゃんもいたから。
シスターは言った。
「神様がきっとあなたの病気を治してくれます」
と私にとってそれは救いだった。だから毎日、毎日、毎日お祈りをしたの。お兄ちゃんは信じていないみたいだったけど私を優しく見守って頭を撫でてくれた。その手がとても大好きだった。
「お兄ちゃん...いつもごめんね」
そう言うと「大丈夫だよ。お兄ちゃん任せろ。」と笑って言っていた。私は知っていた。お兄ちゃんがシスター達に内緒で外で働いて薬代を稼いでいることを。私の為にお兄ちゃんが苦しい思いをしてるなら...とても嫌で...辛かった。
「神様...お願い...お兄ちゃんと幸せに暮らせるようにしてください。お兄ちゃんが笑って暮らせるようにしてください。」
そうお祈りをして私はまた眠りについた。

ある日の朝だった。いつもより息が苦しかった。何度も何度も息を吸おうとしても吸えない、身体中から全ての液体が抜け去りそうだった。お兄ちゃんはそんな私を見て物凄く泣きそうな顔をしながら「大丈夫...大丈夫だから俺がお前を助けるから頑張れ...大丈夫絶対に...お兄ちゃん任せろ」そう言って部屋を飛び出した。多分...お医者さんを探しに行ったんだと思う。けどねお兄ちゃん...もう無駄なんだよ...無理なんだよ...。私、分かるんだもう死んじゃうって...だからそばに居て...そんな声も出ないで、ただその背中を見ることしか出来なった。

ねぇ神様?私は悪い子だったかな...悪い子だから死んじゃうのかな......
それでもいいよ...それでもいいの。だけどねお兄ちゃんは違うから。こんな私のためにね頑張って働いて毎日色んな話を聞かせてくれる優しいお兄ちゃん。そんなお兄ちゃんはいい子でしょ。
私は悪い子でいいの...だけど…お願い...お兄ちゃんだけは救ってあげてください。幸せにしてあげてください...。
きっと私が死んじゃったらお兄ちゃんは泣いて悲しむから...お兄ちゃんのそばに居て幸せにしてくれる誰かに会わせてあげて。
優しくてカッコイイ世界で1番大好きなお兄ちゃん。

ありがとう...お兄ちゃんが居て私は幸せだったよ......。


そう心の中で呟きながら少女は誰もいない部屋で一筋の涙を流して微笑みながら...息を引き取った。
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