鮭
鮭さん (8z9vrvz5)2024/3/29 13:55 (No.100449)削除〖Корэдэсаиго〗
痛い、痛い、痛い、痛イ、イタイ
苦しい、助けて
お父さん、お母さん、お兄ちゃん
どこ、どこにいるの
痛む体に鞭を打ち、朧気な意識で周りを見渡した。
足片方の足がやたらと痛みを主張してくる、少し動いただけでも激痛が体に走る、きっと骨折しているのだろう。
頭を強く打った、前が見えない、ぼやけて見える。
「お父さ…ん…」
父であったであろうものに、手を伸ばす。
触れた肌は、酷く、冷たかった。
父に触れた己の手を見れば、その手は赤く染まっていた。
完全に目覚めきった意識。
体の痛みなんて忘れて、必死に父親の体を揺さぶって言葉を叫んだ。
「お父さん…!!!ねぇ…!!!お父さん…!!!」
どれだけ体を揺さぶって、起こそうとしても父が起きることは無くて、溢れそうになる涙を抑えた。
母と兄の姿も、血に染まっていて、動くことなんて無くて。
孤独な場所で1人、号哭を叫んだ。
❀。.............................。❀
「ッ…!ハァ…ハァ…夢…?」
……悪い夢だ
あの感覚は、今でも忘れられない。
寝ている間に汗をかいていたようで、汗が肌から落ちる感覚が気持ち悪い。
あのことは、ボクのせいじゃない。
誰のせいでもない、そう、そうなんだ。
『本当にそうだと思うのか?』
「は?誰…ッ!!!」
目の前にいたのは、父親だった。
正確に言えば、父親の幻覚だ。
『お前のせいで、俺が死んだんだ。母さんも、▇▇▇▇だって、お前のせいで死んだ。』
「違うッ!!!お父さんはそんなこと…!!!」
『お前のこと、昔っから大嫌いだったよ。』
『何で生きてんだ、お前だけが。』
「違う、違う違う違う…!!!」
お父さんが心中をしようとしたんだ。
でもお父さんなりにも理由があって、お父さんがそんなこと言うはずないんだ。
ボクは悪くない、そう思いたかった。
❀。.............................。❀
「………………」
無心で、自分の腕や足を切り続ける。
ストレスを発散するにはこの方法しか無いから。
今日の幻覚も散々だった。
幻覚って分かっているのに、それを現実として見てしまう自分が心底嫌いだ。
死にたいと願って、もう何年も死んじゃいない。
死ぬのが怖いから。
「これでもう、最後に…」
一度自傷をしてしまったら、止められることなんてそう無いのに。
これで最後、そんな戯言を残して。
今日もまた、自分を傷つける。